幼なじみ2 ~あの頃の2人輝いてた~
転校
ある日、生夏(きっか)が家に帰ると、

「わたしは嫌だよ、ゆうちゃん」

「でも生夏の学校が変わるのは、生夏が嫌がるだろ?」

珍しく両親が口争いをしていた。

入りづらくて生夏が躊躇していると、影でわかったのか、

「おかえり」

父親・佑典(ゆうすけ)がリビングの扉を開けた。

母親・喜々良(ききら)は何故か泣いている。

「ママ、どうしたの?」

「ゆうちゃんがね」

それ以上は言葉にならず、嗚咽をもらす。

「S町に転勤になったんだよ…。
生夏は高校に入ったばかりだから、単身赴任すると言った途端、これだ」

佑典はヤレヤレというようにため息をつく。

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