神獣の花嫁〜あまつ神に背く〜
「すごい……!」
植物が成長する観察記録映像を、早送りで見ているようだ。
瞳子は素直に感嘆の声をあげたが、セキは苦笑いをもらした。
「瞳子に誤解をさせたのは、俺のこの力のせいだ」
「え……あっ」
瞳子は、セキの言葉の意味することを理解した。村娘たちが、セキに寄って集っていたのは───。
「赤ちゃん、が、欲しかったって、こと?」
「それも、丈夫な男子だ」
「え? 生み分け可能なの?」
「まぁ意識したことはないが、願い通り授かることが多かったようだな。
呪いと称して良かれと思って使った力だが、勘違いした村の男衆に、俺が娘たちに手を付けてると言い触らされた。
確かに、好いてる女の腹に衣の上からとはいえ、他の男がさわったとなれば、当然の怒りだな」
自嘲ぎみに笑ってみせると、セキは手にした苗を庭先に埋め、つぶやくように言った。
「瞳子にも、実緒にも、不愉快な思いをさせた。本当に、申し訳なかった」
「わ、私はともかく、奥さん……じゃなかった、元奥さん? いや、まだ奥さん? には、ちゃんと説明したほうがいいんじゃない?
それとも、もう話してあるの?」
植物が成長する観察記録映像を、早送りで見ているようだ。
瞳子は素直に感嘆の声をあげたが、セキは苦笑いをもらした。
「瞳子に誤解をさせたのは、俺のこの力のせいだ」
「え……あっ」
瞳子は、セキの言葉の意味することを理解した。村娘たちが、セキに寄って集っていたのは───。
「赤ちゃん、が、欲しかったって、こと?」
「それも、丈夫な男子だ」
「え? 生み分け可能なの?」
「まぁ意識したことはないが、願い通り授かることが多かったようだな。
呪いと称して良かれと思って使った力だが、勘違いした村の男衆に、俺が娘たちに手を付けてると言い触らされた。
確かに、好いてる女の腹に衣の上からとはいえ、他の男がさわったとなれば、当然の怒りだな」
自嘲ぎみに笑ってみせると、セキは手にした苗を庭先に埋め、つぶやくように言った。
「瞳子にも、実緒にも、不愉快な思いをさせた。本当に、申し訳なかった」
「わ、私はともかく、奥さん……じゃなかった、元奥さん? いや、まだ奥さん? には、ちゃんと説明したほうがいいんじゃない?
それとも、もう話してあるの?」