神獣の花嫁〜あまつ神に背く〜
例え“花嫁”様が性格の悪い気に食わない方でも“主”であるセキ様が共に在りたいと願うなら、その願いが叶うよう、力を尽くすのが務めですから」
(何気にディスられたうえに、従者愛が重い)
イチのセキへの想いに若干引きつつも、瞳子は自らが抱えた胸のうちを、この従者になら話してもいいのかも知れないと思った。
(セキのことを大事に想っているイチになら、打ち明けてもいいのかも)
セキの気持ちは素直に嬉しい。何より、信頼に足る人物だと思える。人となりも、嫌いではない。……いや、好きだ。
(でも……でも、なんだよ)
好きという理由だけで、安易にセキの想いにうなずけるほど、瞳子は若くなかった。
この世界については、知らないことが多すぎて。それを無視してセキの側にいると決めるには、無謀すぎる気がした。
「私……この“陽ノ元”って世界のこと、あまりよく解ってないし」
「そんなもの、これから私なりセキ様なりに教わればいいことでしょう」
「……教えてくれるの? 私、あんた達が当たり前に知ってること何も知らないのに、面倒じゃない?」
「貴女に教わる気があるのなら、いくらでもお教えしますよ」
(何気にディスられたうえに、従者愛が重い)
イチのセキへの想いに若干引きつつも、瞳子は自らが抱えた胸のうちを、この従者になら話してもいいのかも知れないと思った。
(セキのことを大事に想っているイチになら、打ち明けてもいいのかも)
セキの気持ちは素直に嬉しい。何より、信頼に足る人物だと思える。人となりも、嫌いではない。……いや、好きだ。
(でも……でも、なんだよ)
好きという理由だけで、安易にセキの想いにうなずけるほど、瞳子は若くなかった。
この世界については、知らないことが多すぎて。それを無視してセキの側にいると決めるには、無謀すぎる気がした。
「私……この“陽ノ元”って世界のこと、あまりよく解ってないし」
「そんなもの、これから私なりセキ様なりに教わればいいことでしょう」
「……教えてくれるの? 私、あんた達が当たり前に知ってること何も知らないのに、面倒じゃない?」
「貴女に教わる気があるのなら、いくらでもお教えしますよ」