神獣の花嫁〜あまつ神に背く〜
「───ハッ、なるほどのぅ、物は言いようということか。なんじは血の繋がりはなくとも尊臣そっくりじゃのう」
(じーさんと似てるとか、ある意味すげぇ不本意なんだが)
ひそかに胸中でぼやきつつも、極力 顔には出さぬよう気をつけ、セキはわずかに面を伏せる。
「……祖父と懇意にしておられたことは、当人からも聞き及んでおります。こちらも」
言ってセキは、脇に置いた“神逐らいの剣”を両手に掲げてみせる。
「カカ様のご配慮があったこと───“神獣”である私の手に必ず渡すようにと、現世に私を下賜すことの条件にされたとか。
なれば、こちらはカカ様にお納めすべきでしょうか?」
“神獣”らの脅威である剣を【無効化するために】同族である“神獣”を『人の世界』へと【売った】のだ。
セキの厭味に気づいたらしく、カカこと煌の口がへの字に曲がる。その目は閉じられてはいるが、彼には室内の状況もセキや他の者の様子も【視えている】。
「ほぅ……それがなんじの言い分───我が問いに対する答えか。
なんじを無下に扱った報いを為せ、と」
(じーさんと似てるとか、ある意味すげぇ不本意なんだが)
ひそかに胸中でぼやきつつも、極力 顔には出さぬよう気をつけ、セキはわずかに面を伏せる。
「……祖父と懇意にしておられたことは、当人からも聞き及んでおります。こちらも」
言ってセキは、脇に置いた“神逐らいの剣”を両手に掲げてみせる。
「カカ様のご配慮があったこと───“神獣”である私の手に必ず渡すようにと、現世に私を下賜すことの条件にされたとか。
なれば、こちらはカカ様にお納めすべきでしょうか?」
“神獣”らの脅威である剣を【無効化するために】同族である“神獣”を『人の世界』へと【売った】のだ。
セキの厭味に気づいたらしく、カカこと煌の口がへの字に曲がる。その目は閉じられてはいるが、彼には室内の状況もセキや他の者の様子も【視えている】。
「ほぅ……それがなんじの言い分───我が問いに対する答えか。
なんじを無下に扱った報いを為せ、と」