神獣の花嫁〜あまつ神に背く〜
「……元の世界に帰りたいのれチュか〜。ちょれはまた、難儀なコトれチュね〜……。
あッ、でも、とりあえずココから出れば、道は拓けるはずッチュ!」
一瞬だけネズミの声が、暗く沈んだのが気がかりではあるが。
この山中を闇雲に歩くよりは、どこか違う場所へたどり着くことのほうが、現状を打破できるかもしれない。
「じゃあ、早いとこ頼むわよ。
力を貸すって、具体的にどうしたらいいの?」
「ハ〜イ、交渉成立ッチュね!
ムスメしゃん、お名前はナンと言いまチュか?」
「瞳子」
「トーコしゃん。……了解ッチュ!」
言うなり、ネズミは小さな後ろ足をちょこまかと動かし、その場でくるんと一回、宙返りをした。
拍子に、ネズミの腹の辺りから小さな小さな棒状の物が落ちる。
「トーコしゃん、ちょの巻物を拾ってくれッチュ」
「……これ?」
爪楊枝くらいの太さのそれをつまみ上げると、続けてネズミが言った。
「息を吹きかけてから、あたチに渡ちゅッチュ」
瞳子は、自分の息で飛ばしてしまわぬよう気をつけながら巻物を吹くと、ネズミに手渡す。
「これでいい?」
「ハイッ! ────! ──!」
あッ、でも、とりあえずココから出れば、道は拓けるはずッチュ!」
一瞬だけネズミの声が、暗く沈んだのが気がかりではあるが。
この山中を闇雲に歩くよりは、どこか違う場所へたどり着くことのほうが、現状を打破できるかもしれない。
「じゃあ、早いとこ頼むわよ。
力を貸すって、具体的にどうしたらいいの?」
「ハ〜イ、交渉成立ッチュね!
ムスメしゃん、お名前はナンと言いまチュか?」
「瞳子」
「トーコしゃん。……了解ッチュ!」
言うなり、ネズミは小さな後ろ足をちょこまかと動かし、その場でくるんと一回、宙返りをした。
拍子に、ネズミの腹の辺りから小さな小さな棒状の物が落ちる。
「トーコしゃん、ちょの巻物を拾ってくれッチュ」
「……これ?」
爪楊枝くらいの太さのそれをつまみ上げると、続けてネズミが言った。
「息を吹きかけてから、あたチに渡ちゅッチュ」
瞳子は、自分の息で飛ばしてしまわぬよう気をつけながら巻物を吹くと、ネズミに手渡す。
「これでいい?」
「ハイッ! ────! ──!」