神獣の花嫁〜あまつ神に背く〜
「分別してくれれば、あとはリサイクルショップなりフリマアプリなりで金銭に変えますよ」
「うーん、でも、お金はあっても困るというか……必要ないでしょ?」
“陽ノ元”で換金できるでなし、と、瞳子は思ったのだが。
一葉の人差し指が、トン、と、瞳子の書いた『けじめリスト』にある一つの箇所を叩いた。
「これ。この貴女の叔母様の今後の供養。どうされるんですか?」
「それは……」
瞳子が書いたのは『叔母の墓参り』。
誰かに“陽ノ元”へ行くことを告げるのなら、瞳子が伝えたい相手は叔母である朱鷺子だけだった。
実の母親よりも母親のように、瞳子と接してくれた人物。
瞳子は、彼女の墓前にそのことを報告するつもりでいた───それが、瞳子の中で一番の成したかった『けじめ』でもある。
「正直……叔母にも両親にも申し訳ないけど、供養のことは考えてなかったです。預金も、多少はなくもないですけど……」
「そうですか。では、できる限りはして差し上げたいというお気持ちはありますよね? 供養の足しにするという考えは、ありませんか?」
「え……でも」
「うーん、でも、お金はあっても困るというか……必要ないでしょ?」
“陽ノ元”で換金できるでなし、と、瞳子は思ったのだが。
一葉の人差し指が、トン、と、瞳子の書いた『けじめリスト』にある一つの箇所を叩いた。
「これ。この貴女の叔母様の今後の供養。どうされるんですか?」
「それは……」
瞳子が書いたのは『叔母の墓参り』。
誰かに“陽ノ元”へ行くことを告げるのなら、瞳子が伝えたい相手は叔母である朱鷺子だけだった。
実の母親よりも母親のように、瞳子と接してくれた人物。
瞳子は、彼女の墓前にそのことを報告するつもりでいた───それが、瞳子の中で一番の成したかった『けじめ』でもある。
「正直……叔母にも両親にも申し訳ないけど、供養のことは考えてなかったです。預金も、多少はなくもないですけど……」
「そうですか。では、できる限りはして差し上げたいというお気持ちはありますよね? 供養の足しにするという考えは、ありませんか?」
「え……でも」