神獣の花嫁〜あまつ神に背く〜
精算前の商品を、子供に食べさせながらレジに来た客に、
「ご購入前に商品を開封されるのは、ご遠慮いただきたいのですが」
と告げると、
「そんなの、子供のやる事なんだから仕方ないだろ!」
と逆ギレされ、カッとなって思わず、
「それを躾けるのが親の役目じゃないんですか?」
と言ってしまい、その後、店長呼ぶからな! どうぞ! の、応酬となったのだ。
……いま思い返すと、かなり店員として恥ずかしい態度だ。
「───再発防止のために社内規則を変えるよ、約束する。もちろん、須崎も厳正に処分する。……警察に届けないという月島さんの意向も汲んでね」
「はい。あの……」
「ん?」
「私の話だけで、そんな風に言ってしまっていいんですか?」
「ああ。月島さんの常日頃の勤務態度は知ってるしね。そんな話をでっち上げたりするメリットもないだろうし」
(あの時も、同じようなこと言ってくれたな……)
責任者を出せ! と、騒ぐ客をなだめて帰すと、橘は、
「災難だったね。月島さんの普段の仕事ぶりは知ってるし、気にしなくていいよ」
と、特に瞳子に注意するでなく、笑って応じてくれたのだ。
だからこそ、今回も橘になら話しておきたいと思えたのかもしれない。
「ご購入前に商品を開封されるのは、ご遠慮いただきたいのですが」
と告げると、
「そんなの、子供のやる事なんだから仕方ないだろ!」
と逆ギレされ、カッとなって思わず、
「それを躾けるのが親の役目じゃないんですか?」
と言ってしまい、その後、店長呼ぶからな! どうぞ! の、応酬となったのだ。
……いま思い返すと、かなり店員として恥ずかしい態度だ。
「───再発防止のために社内規則を変えるよ、約束する。もちろん、須崎も厳正に処分する。……警察に届けないという月島さんの意向も汲んでね」
「はい。あの……」
「ん?」
「私の話だけで、そんな風に言ってしまっていいんですか?」
「ああ。月島さんの常日頃の勤務態度は知ってるしね。そんな話をでっち上げたりするメリットもないだろうし」
(あの時も、同じようなこと言ってくれたな……)
責任者を出せ! と、騒ぐ客をなだめて帰すと、橘は、
「災難だったね。月島さんの普段の仕事ぶりは知ってるし、気にしなくていいよ」
と、特に瞳子に注意するでなく、笑って応じてくれたのだ。
だからこそ、今回も橘になら話しておきたいと思えたのかもしれない。