混沌
「さ、帰ろ、かえろー」
真希は講義が終わると早々に荷物をまとめて立ち上がる。
私も教材をしまい、席を立ち上がって、真希の後をついていった。
あー、なんだか無性に馬鹿らしくなってくる。
外はまだ雨が降ってるし、気分は浮かない。
私は折りたたみ傘を鞄から取り出し、脇に抱えた。
「あの、」
教室を出ようとした時だった。
傘を持っていない方の腕をぐんと後ろに引かれた。
振り返って私は驚いた。
「これ落としませんでしたか?」
声をかけてきたのは、あの青年だったから。
青年の手には、ゲームキャラクターのフィギュア型キーホルダーが握られていた。
「え、なに、なに、なに」
真希は何事かと、ニヤニヤと首を突っ込んできた。ランデブーの始まりかと思って期待したらしい。
そして、ただの落としものを拾ってくれただけだと知ってがっかりしたようだった。
「違いますよ、それ。ブッキーのじゃないです。ブッキーこういうの好きじゃないんで。ね?」
真希は講義が終わると早々に荷物をまとめて立ち上がる。
私も教材をしまい、席を立ち上がって、真希の後をついていった。
あー、なんだか無性に馬鹿らしくなってくる。
外はまだ雨が降ってるし、気分は浮かない。
私は折りたたみ傘を鞄から取り出し、脇に抱えた。
「あの、」
教室を出ようとした時だった。
傘を持っていない方の腕をぐんと後ろに引かれた。
振り返って私は驚いた。
「これ落としませんでしたか?」
声をかけてきたのは、あの青年だったから。
青年の手には、ゲームキャラクターのフィギュア型キーホルダーが握られていた。
「え、なに、なに、なに」
真希は何事かと、ニヤニヤと首を突っ込んできた。ランデブーの始まりかと思って期待したらしい。
そして、ただの落としものを拾ってくれただけだと知ってがっかりしたようだった。
「違いますよ、それ。ブッキーのじゃないです。ブッキーこういうの好きじゃないんで。ね?」