混沌
真希の言葉に、青年は首を捻って私を見た。
「違うのか?」
違わないけどもっ……。
「違います」
私は真希の手を取って足早に教室を立ち去った。
*
はぁ。
さようなら私の戦利品。
あのキーホルダーはこの間の株主総会で、お土産として菓子折り一式と一緒に中に入っていたものだった。
部屋のどこを探しても見つからなくて、おかしいとは思っていたが、まさか学校用カバンに混ざっているとは不覚。
しゃーない。
こういうこともある。
でも、……
ホームに到着した電車に乗ろうとした足がピタッと止まった。
あれは非売品だ。
もう手に入らないんだ。
そう思った次の瞬間には、私は大学を目指して走り出していた。
「違うのか?」
違わないけどもっ……。
「違います」
私は真希の手を取って足早に教室を立ち去った。
*
はぁ。
さようなら私の戦利品。
あのキーホルダーはこの間の株主総会で、お土産として菓子折り一式と一緒に中に入っていたものだった。
部屋のどこを探しても見つからなくて、おかしいとは思っていたが、まさか学校用カバンに混ざっているとは不覚。
しゃーない。
こういうこともある。
でも、……
ホームに到着した電車に乗ろうとした足がピタッと止まった。
あれは非売品だ。
もう手に入らないんだ。
そう思った次の瞬間には、私は大学を目指して走り出していた。