【短】過保護なふたりに縛られる。
「……えっ、と、」
「あるよな?聞いてないんだよなー、最近のおまえの近況報告?ってやつ」
「ちょっと葉月。そんないきなり追い詰めたらヒナが怖がっちゃうだろ」
「それくらいしないとこいつは言わねーんだって」
私を挟んだ言い合いが始まる前に、なにかひとつでも答えておけば静まってくれるような気がした。
「あっ、その……宿題を、教えてもらいたくて…」
背中に隠し持っていた今日の課題を取り出しては愛想笑い。
私と違って彼らは勉強もできてしまうため、いつもいつもお世話になっていた。
スポーツ万能、成績優秀、街を歩けばスカウトマンから声がかかるほどの美貌。
だれがこの双子くんたちに勝てるというのだろうか。
「ヒナ、そうじゃない」
あっ、これじゃなかった……。
ゆーくんのこの顔、嘘ダメなやつだ。