Keyless☆Night 初めて、なので。
離れたくない気持ちとは裏腹に、服の向こうにある硬い胸板を感じながら、雅貴くんを押し返す。

少し乱れた雅貴くんの息遣いが間近にあって。

それが、常日頃の冷静な彼とは違って。

よけいに、私の心音を激しくさせる。

「すみ、ません……叶絵(かなえ)さんが可愛くて、我慢、できなくて……」

薄く色づく頬が、可愛い。
でも同時に、色っぽくもあり。

……ごめん、私のほうが心臓もたない。

どうしよう……こんなに、身体が欲しがってるって、なんか恥ずかしい。

───だけど。
雅貴くん、も、そう……だよね?

「……大丈夫。私も、同じ、だから……。向こうに、行こう?」
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