この恋、正解でしょうか?




 オムライスを食べて、お腹いっぱいになった19時。 
 なんとなくお店の近くにあった大きい噴水のある公園にきた。



「すごーい!出店がいっぱい!けど…お腹いっぱいでもう食べれないのが悔しい…。」

「噴水よりそっちなんだ。鳴海らしいね。」

「な、なによ…引いた?」



 もっと噴水の方を見て騒いだほうがよかったかな…?



「引くだなんてそんな、あるわけないでしょ?」

「そ、そう?」



 私たちもしかして今いい感じっていうやつ?
 ほんとの本当に期待してもいいのかな?



「奏くん、あのね…!」
「奏?なにしてるの?」



 私が口を滑らせてしまう前に、奏くんのことを呼ぶ他の女の人の声が聞こえた。
 少し、やつれていて歩くのもやっとな様子。



「姉ちゃん…ここでなにしてんの?」

「その子、誰?」

「誰でもいいでしょ。」

「ねえ、誰なの?奏、この人も私から大切なものを奪うの?」



 少し様子が変なお姉さんに必死に体を揺さぶられているのに表情も一切変えない奏くん。



「奏くん……?」



 私がそう声をかけると一言。



「ごめん。」




 あー、これ。私がこれ以上踏み込んではいけないことだ。

 

「あー、じゃあね。今日はありがとう、奏くん。」



 私の帰り際、奏くんがこっちを見ることは多分一切無くって。
 期待していた私が馬鹿に思えてきた。
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