この恋、正解でしょうか?




「だって…。」

「好きなんでしょ?」

「うん。」



 そう。好きなのだからしょうがないのだ。



「あ。今日も約束してるんだった。」

「あらあら、お盛んなこと。」


 また、人のことをバカにする中身おじさん系美少女。



「じゃあ、また明日ね、花梨。」

「はーい、またね。」



 花梨と別れて歩くこと徒歩5分、私たちが通う都立西翔学園(とりつせいしょうがくえん)は全寮制で学校の敷地内に全生徒1000人が住める高層マンションが2つ建っている。

 普通科の生徒がセレネ棟、芸術科がヘリオ棟。
 私と花梨は普通科。例の彼は芸術科だから私とは別の寮棟。



「あ、遅かったね。おかえり。」



 鍵がかかっていなかったからそのまま1LDKの部屋に入ると、案の定彼が寝室のベットに横になって部屋に居座っていた。



「ごめん、今日は課題提出の日って言ってたからゆっくりしてた。」

「そんなのとっくに提出してるよ。だって、僕だよ。」

「ふーん、このナルシストが…。」



 そんなことを言いながら、カバンなんて床に置き捨てて彼がいるベットに向かってしまう私。

 好きって言えちゃえばいいのに。
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