この恋、正解でしょうか?
4小節目
奏side
12月2日月曜日。
鳴海と話さなくなって、会わなくなって2週間と少しが経った。
あの日から、姉ちゃんの精神状態の不安定な日が日に日に増していった。
学校に行けない日も増えていって、この2週間で学校に行けたのなんてたったの3、4回。
姉ちゃんは、この間結婚するはずだった。
だから僕も安心して、鳴海と2人で出かけていたのに。
だけどそれは結婚詐欺だった。
結婚詐欺だと分かったのがちょうどその土曜日だったのだ。
鳴海に会いたくてしょうがなかった。
だけど、僕に連絡する資格があるのかわからなかった。
「なんか、体だるい。」
5限目の半ばでどうしても耐えられなかった僕は、保健室に行くことにした。
いつもは、サボりばかりだけど、今日は本物。
「しつれーしまーす。」
いつも通りここの保健室には先生も人もいないことが多い。
だから、右側のベットはほぼ僕しか使っていない…多分。
「んん〜。ありがと〜。」
あれ?誰かいる?
そう思ってカーテンの閉まっていた右側のベットを覗くと見慣れた赤茶の髪の毛だけが布団から見えた。