この恋、正解でしょうか?
あんなに一緒にいたのに奏くんの部屋に来るのは初めてだった。
セレナ棟とは違って内装はシックな感じのヘリオ棟。
奏くんの部屋は確か4110号室。
行く機会はなかったけど、一応って合鍵はもらっていた。
勝手に鍵を開けて奏くんの部屋に入る。
ドアを開けた途端に奏くんの匂いでいっぱいで、抱きしめられているような気分になった。
やっぱり奏くんのこと大好きなんだな私。
「お邪魔しまーす……。」
「鳴海…、来てくれたんだ。来ないかななんて思ってた。」
来ないわけなんかないじゃん。
こんなに大好きなのに、あんなに頑張っても忘れられなかったのに。
「もちろん、くるよ。奏くんのお願いなんだから。」
「そっか……。ごめん、合鍵返すね。」
「え?」
「僕のお願いでここまで来てもらったんだから、鳴海もなんか1個僕にお願いしていいよ。」
そんなこと言われたって。
急に受け入れることなんてできない。
「なんで急に突き放すようなこと言うの?」
「ごめん、ごめん鳴海。」
そんなことを言いながら今にも泣きそうな顔をする奏くん。