この恋、正解でしょうか？

「奏くん、なんでそんな顔するの？」

「なんで、かな。僕も分かんないや。」



　分かんないって、私の方が悲しい気持ちでいっぱいなのに。

　好きな人とのお別れってこんなに悲しいもんなんだ。



「じゃあ、奏くん。最後に私にキスして？」

「それが、鳴海のお願いなら。」

「うん……ありがとう…奏くん、バイバイ。」



　最後にキスをして、私は奏くんの家を後にした。

　もう無理に奏くんのことを諦めるのはやめにして。
　もう辛いことからは逃げて。
　


「だって、大好きなんだもん………。」



　奏くんの前では我慢していた涙が、急にボロボロ目から頬へと流れた。



　絶対に絶対にこれは、私の人生の中で大切な経験だったんだ。

　私はそう思うことにした。



　今までありがとう。奏くん。