この恋、正解でしょうか?




「鳴海、幸せにしてあげられなくてごめんね。大好きだよ。」



 奏くん。そんなこと言われたらまた追いかけたくなっちゃうじゃん。
 幸せにって、私は奏くんと一緒にいられるだけで幸せなんだよ。

 奏くん、奏くん。
 私、これからも奏くんと一緒にいたいよ。
 私は、奏くんと一緒じゃないと幸せになれないんだよ。



「こんな僕ですが、これから、映えある未来に向かって努力を惜しみません。最後にもう1度、3年間支えてくださった方々に改めて感謝し、答辞とさせて頂きます。卒業生代表、桜庭奏。」



「以上を持ちまして、都立西翔学園高等部卒業証書授与式を終了いたします。」



 奏くんともう1回ちゃんとお話したいよ。
 奏くん、会いたいよ。



「小鳥遊…鳴海…さん?」



 講堂を出て奏くんを探していると後ろから私の名前を呼ぶ女の人の声が聞こえた。


 振り向くと、後ろに立っていたのは奏くんのお姉さんだった。
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