この恋、正解でしょうか?




「奏くんの……。」

「奏の姉の美弾(みたま)です。」



 去年会った時よりも元気そうな様子で、少し良かった…なんて思った。



「去年のあの日は本当にごめんなさい。あの時は色々あって…って言い訳よね。」

「いえいえ…。全然…そんなことは…。」

「今日の奏の答辞を聴いて思ったの。私、奏の大切な人を奪ってしまったんだなって。」

「いえ、でももう…。」

「私が言えることじゃないけれど、奏のことまだ好きでいてくれるなら…諦めないでほしいの。」

「私…行かないと……!」



 お姉さんに会釈をして、私はまた奏くんを探すために足を走らせた。
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