この恋、正解でしょうか?
外に奏くんは全然いなくって、ふと思いついた美術科の校舎にある保健室に向かった。
卒業式が終わってしばらく経っているからか、校舎内に人はいなくて、皆、今月末に退去する自分の部屋へと帰っている様子だった。
保健室のドアを開けると、空いているはずのない窓が空いていて、カーテンが揺れていて。
右側のベットの締め切るためのカーテンは締まっていた。
「奏くん?」
ベットのカーテンを開けるのがどうしても緊張してできなくて。
私は、カーテン越しに奏くんの名前を呼んだ。
「奏くん?いる?」
カーテンを開けようとすると、ふわっと急に抱きしめられた。
カーテン越しだけどわかってしまう。これは奏くんの腕だ。
「奏くん…奏くん……。会いたかったんだよ…私、奏くんがいないと幸せになれないんだよ…?大好きなの…。」
「なんで…あんなに突き放したのに…。僕のこと、まだ好きでいてくれるの?」
少しだけ声が震えてる…。
泣いてるのかな?それとも緊張してるだけ?