この恋、正解でしょうか?
「でも、そんな俺も好きでしょ?」
「好きなわけ……ないよ。」
そんな会話をしている途中に彼、桜庭 奏に唇を奪われて、いつも通り流されてしまう私。
本当に好きって言えたら楽なのになって。
彼は何が良くて好きでもない私のところに毎日のように通うんだろうか。
奏くんは、そういう行為も慣れているように見えるし、学校の中でも科が違うのに有名なくらい人気者。
成績も芸術科の中でも群を抜いてすごくって、3年間ずっと学年1位だったりもする。
「何?俺といいコトしてるのによそ見?」
「いいコトって言い方、なんかやだ。」
「じゃあ、悪いコトだね。」
ブロンドに染められた奏くんの綺麗でサラサラな髪が月の光に照らされて、いつもに増してキラキラ、光って私の頭に改めて焼きついた。
「可愛いね、鳴海。他のとこなんていっちゃダメだよ。」
毎回毎回、こんな嘘の言葉を私に言い放って離れ難くする。
早く好きってバレてしまえばいいのに。