この恋、正解でしょうか?




「奏くん、顔みたい。」

「待って、今。変な顔してる…から。」



 ゆっくりカーテンを開ける。

 そこには、目元が少しだけ赤くなっている奏くんの本物がいた。



「泣いてるの?」

「なーいしょ。ちょっと歩こっか。」



 いつものように優しく笑う奏くんがそこにはいた。

 さりげなく私の手を取って、ぎゅっと手を握ってくれる。

 奏くんと手を繋ぎながら歩くだなんて、ドキドキしすぎてこれ以上くっつくことなんてできない。



「ねえ奏くん、どこ向かってるの?」

「僕の部屋と鳴海の部屋どっちがいい?」

「え?」

「僕的には鳴海の部屋かなって思うんだけど。」

「奏くん、もしかして体目的…?」

「残念、違いまーす。せっかくなら一緒に思い出の場所巡りたいじゃん?」

「どーせ、やらしいこと考えてるくせに〜。」



 そうして、私の鍵を使って奏くんが私の部屋ドアを開けた。



「なんかこの感じ、久しぶりだ。」



 今までで1番優しくて暖かい笑顔で奏くんはそう言った。

 

「とりあえず、座ろっか。」



 そうして私たちは2人でソファに座った。
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