好きなのに。

Prolog

私、水野冬華は中学2年生。
部活は女子バレー部。ポジションはリベロ。
コートに落ちそうになったボールを、拾う役目。
そんな私には、好きな人がいるんだ。
相手は、同じ部活の……女の子。
名前は、遠澤咲羅。さら。
同い歳で、バレー部の中で1番仲良し。
……だった。この前までは。
きっかけは些細なことだ。
まわりがみんな彼氏を作り始めて、私と咲羅は置いていかれていた。
その場のノリで。
『もういいもーん!咲羅とリア充してやる〜!』
『咲羅もふゆと付き合う〜!』
なんて、ただの仲のいい女子同士のやり取り。
そんな一言から、本気になってしまった。


その日から、一人称を"僕"に変えた。
髪の毛は切らなかったけれど、私服もズボンをたくさん履くように。
少しでも、意識して欲しくて。
でも……やっぱり無理なんだ。
女子同士なんて。
叶うはずがない。
そんなゼロから始まる、物語。
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop