ライバル企業の御曹司が夫に立候補してきます~全力拒否するはずが、一途な溺愛に陥落しました~
「いいのか? 顔を隠していて。見えないと、なにをされるかわからないぞ」
「えっ?」
なにをするつもり……?
焦って手をどけ、上半身を起こす。片手を私の太腿に這わせた統が、私の脚の付け根辺りに顔を近づけていた。
「待って、ダメ……っ」
「きみは俺だけが愛でていい花だ。蜜を味わう権利だってあるはずだろ?」
「そんな、あっ……」
言うが早いか、惜しげもなく侵入してきた舌が、遠慮なく動き回って私の中を刺激する。
どくどくと、熱いものが溢れてしまうのがわかる。
恥ずかしいのに、感じるのをやめられない。
快感とともにたっぷりの愛を感じる行為なのに、統の顔がよく見えないのが切ない。
「統、そっちばかりじゃ嫌……唇にもキスして……」
「苑香……ああ。そのかわいい唇に、寂しい思いをさせてごめんな」
体勢を変え、再び私の上に覆いかぶさった彼が、激しいキスで私の唇を塞ぐ。
そうしながらも彼の指先は私の中をかき回し続けていて、なにも考えられないくらい甘く蕩けていく。
目の前にちかちかと星が浮かんでどうにかなりそうになっていたその時、統がベルトを外す音が聞こえた。