ライバル企業の御曹司が夫に立候補してきます~全力拒否するはずが、一途な溺愛に陥落しました~
幸福なフラワーシャワー
統と結ばれた直後の週明け。正式な申し入れではないとはいえ、彼から合併の打診があった話を役員会で打ち明けた。
行きがかり上、私と彼が婚約していることも伝える。
みんなに相談せずに断ったことを謝ると、カンナ、右原さん、左木くんはそれぞれ怒りを露わにした。
その矛先が向かった先は私ではなく、統だ。
「まったく、失礼しちゃうわよね。いくら苑香が自分のものになったからって、この会社まで手に入れようとしていたなんて」
「私たちは苑香さんについていきたいのであって、瀬戸山園の傘下に入るなんて、たとえメリットがあっても断固拒否です!」
「瀬戸山社長は僕たちが思うより美吉ブロッサムを脅威に思っているんですよ。将来的に瀬戸山園の上をいかれるくらいなら、今のうちに自分たちのものにしてしまえと……」
私が思っていたよりずっと、彼らの愛社精神は強かったらしい。私は婚約者を悪く言われているというのに、思わず微笑んでしまう。
今度会ったら教えてあげよう。
統、散々な言われようだったよって。