ハルサメレオンの春




 俺達4人は、幼馴染という名目のもと、「許嫁」という契約で結ばれている。
 メイはケイと。そして俺は…ゆりあと。

 それは親類以外には知られてはいけない秘密の事柄であった。


 ー俺達は秘密を共有している。
 それが俺達を頑なに結びつけていた。


 だからといって、各々が好意があるかはまた別の話だった。「契約」だから。幼少期、たった5つの俺らに記された「許嫁」というレッテル。それだけを追いかけて今まで駆け抜けてきた。

 俺には恋愛感情というものがないのはそのままだった。メイのデレェという演技のようなアクションだって、本当か何かを誤魔化している様にも見えてしまっていた。
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