ハルサメレオンの春
「ほら、もう着いちゃうにゃ、ケイちゃま」
どんなキャラだよ、とツッコミたくなるが、いつものことなので見逃した。
メイは案外乗り気なのか、ケイの腕にしがみついていた。それともおままごとなのか…
「そうよ、それだわ」
不意にゆりあがきらめいた。こっちを見ながら何やら少女の好奇心とやらを向けてきた。
「おままごとね!」
これにはズコーッという効果音が当てはまりそうだった。
なんていうデジャブだろうか。
「俺もだよ」
「?」
ゆりあはウキウキだった、あからさまに。俺はため息を吐いたが、待っていた腕組みは来ることがなかった。