ハルサメレオンの春
車から降りると、いつもの視線の喝采を浴びた。
校門から玄関口までは来賓用の道となっているため、優雅な装飾品があり、かなり整備されている。レンガ道で靴を汚す事がない。
「レオンー?」
メイが手招きをしている。ケイも、こっち!と指をさしていた。
いつもの玄関口へ向かうはずだった。
けれど、
「今日から共学ー!きょ・う・が・んぐっ」
途中まで言いかけて、ゆりあに口を塞がれた。メイはぽかーんとしている。
え、今なんて?そう、言いかけた。
聞き間違いがなければ、なんてあるはずもなく。
「いつもの癖だよねっ。僕も気をつけなくちゃ」
ケイのフォローが痛々しかった。
どうやら俺にだけ知らされていなかったらしい。特進コースのみの共学制度に、俺達は追いやられていたことを。
俺は苦手なんだ。
ああ、女子という生き物に…