ハルサメレオンの春

 7月に入り、冷房の効いた部屋に夏を感じながら、俺たち4人は毎週土曜日のお昼時、俺の部屋でくつろいでいた。

 ドラマは深夜枠のため、再放送をネットで視聴。俺も完成作品のオンエアを確認するために今回は他3人と一緒になった。

 そんな最中だった。



 「レオ、聞いて欲しいことがあるの」



 ゆりあに玄関まで連れ出された。他2人を置いて。


 告白だろうか。そんな言葉が頭を遮った。ゆりあが俺に告白?頭にバグが入ったのだろうか、ドラマ撮影期間中のミューとのやり取りで俺はきっとどこかに自我を置いてきてしまっている。

 以前の俺ならどういった態度を取っていただろうか。格好を付けたポーズでも取ってその話の続きを待っていただろうか。

 顎に手をやってクイっと上にやってみただろうか。…それも以前の仕事の役柄だ。



 俺の脳裏は、プライベートと仕事とのオンオフが制御不能になっていた。
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