君の隠しているモノ
足立くんとのメールはそつなく終わって……。
『悪い悪い、マー君とのメールがさぁ。どうだった? 足立くんとやらは』
マー君、彼女のあの不倫相手だ。奥さんいるのにマー君呼びだなんて。
『ねー、同級生に足立はいなかったの?』
『ううん、クラス多かったからさ。多分特進科ではない。』
名前出しても反応なかったのはそういうことか。恵美は不倫とかしてるけど特進クラスなのだ。
学歴と恋愛は関係ないか。
『!!! アルバム見たらいたわ』
わー……。
『普通科のAだから進路が就職か短大の子のクラス。って男子には珍しいけどね』
たしかに……でも今の時代進学も就職も男女関係ない。働きながら勉強する人もいるわけだし。
『Aだったら1人知ってる子いるから聞いてみるよ』
そこまで根掘り葉掘りしなくてもいいけど……頼むことにした。そんなの卑怯かな。メールで聞けばいいけど外堀を埋めよ、ってやつだよね。
次の日のバイトで里奈に会うと
「えー、メールもらったんだ……うちはまだよ」
と彼女はがっかりしていた。他のバイトの子やパートさんも加わった。
「あら、飛鳥ちゃんが気に入ったんじゃないの? 里奈ちゃんはがっつがつしてるし」
パートのおばさんが茶化す。
「私ガツガツしてない! 飛鳥、私ガツガツしてる?」
里奈につめられても……。
「こんにちは。チャグマ宅配便ですー……あら、みなさんお揃いで」
噂をしていたら足立くん。パートのおばさんたちはニコニコして作業スペースに入って行って私と里奈だけになった。里奈は少し気まずそうだったのか少し奥に入って行った。
私も気まずいわ。足立くんが伝票を出したので荷物を受け取ってサインして渡した。
「どうも、昨晩は」
「いえ、こちらこそ……なんか会話に付き合ってもらって」
「いいよ、会話相手欲しいし。家1人だから」
「そうなの? 家族は?」
なんか昨日のメールの延長みたい。ぽんぽんといつもよりも会話ができている自分がいる。
「僕、一人暮らしなの」
「そうなんだ……またなんかあったらメールして。あと里奈にも」
「うん、わかった。里奈さんって僕よりも年上だからちょっと……どう接すれば」
ちらっと足立くんは里奈を見た。里奈は浮かない顔から笑顔に変えて会釈した。
「大丈夫だよ。私も普通に話しているしさ」
「そか、わかったよ。また来ます。集荷はないよね」
「あ、あります!!」
会話に夢中で業務を忘れるところだった。……別に里奈とメールしなくていい、私とだけメールしてていいんだよ。なんて心の中で思った。
にしても外は暑いのに制服の下に黒いTシャツ着てる足立くん。
大変だなぁ、重い荷物持ってスタスタと店から去っていった。
「ああ、なんとなくわかったわ」
里奈が来た。メールしなかったのは彼女が年上だったから……ってこと。
「あんたみたいなおとなしい子がタイプなんだよ。あと聞こえたけど一人暮らしかぁー。ほいほい家に行くんじゃないよ」
「わかってるって……」
『悪い悪い、マー君とのメールがさぁ。どうだった? 足立くんとやらは』
マー君、彼女のあの不倫相手だ。奥さんいるのにマー君呼びだなんて。
『ねー、同級生に足立はいなかったの?』
『ううん、クラス多かったからさ。多分特進科ではない。』
名前出しても反応なかったのはそういうことか。恵美は不倫とかしてるけど特進クラスなのだ。
学歴と恋愛は関係ないか。
『!!! アルバム見たらいたわ』
わー……。
『普通科のAだから進路が就職か短大の子のクラス。って男子には珍しいけどね』
たしかに……でも今の時代進学も就職も男女関係ない。働きながら勉強する人もいるわけだし。
『Aだったら1人知ってる子いるから聞いてみるよ』
そこまで根掘り葉掘りしなくてもいいけど……頼むことにした。そんなの卑怯かな。メールで聞けばいいけど外堀を埋めよ、ってやつだよね。
次の日のバイトで里奈に会うと
「えー、メールもらったんだ……うちはまだよ」
と彼女はがっかりしていた。他のバイトの子やパートさんも加わった。
「あら、飛鳥ちゃんが気に入ったんじゃないの? 里奈ちゃんはがっつがつしてるし」
パートのおばさんが茶化す。
「私ガツガツしてない! 飛鳥、私ガツガツしてる?」
里奈につめられても……。
「こんにちは。チャグマ宅配便ですー……あら、みなさんお揃いで」
噂をしていたら足立くん。パートのおばさんたちはニコニコして作業スペースに入って行って私と里奈だけになった。里奈は少し気まずそうだったのか少し奥に入って行った。
私も気まずいわ。足立くんが伝票を出したので荷物を受け取ってサインして渡した。
「どうも、昨晩は」
「いえ、こちらこそ……なんか会話に付き合ってもらって」
「いいよ、会話相手欲しいし。家1人だから」
「そうなの? 家族は?」
なんか昨日のメールの延長みたい。ぽんぽんといつもよりも会話ができている自分がいる。
「僕、一人暮らしなの」
「そうなんだ……またなんかあったらメールして。あと里奈にも」
「うん、わかった。里奈さんって僕よりも年上だからちょっと……どう接すれば」
ちらっと足立くんは里奈を見た。里奈は浮かない顔から笑顔に変えて会釈した。
「大丈夫だよ。私も普通に話しているしさ」
「そか、わかったよ。また来ます。集荷はないよね」
「あ、あります!!」
会話に夢中で業務を忘れるところだった。……別に里奈とメールしなくていい、私とだけメールしてていいんだよ。なんて心の中で思った。
にしても外は暑いのに制服の下に黒いTシャツ着てる足立くん。
大変だなぁ、重い荷物持ってスタスタと店から去っていった。
「ああ、なんとなくわかったわ」
里奈が来た。メールしなかったのは彼女が年上だったから……ってこと。
「あんたみたいなおとなしい子がタイプなんだよ。あと聞こえたけど一人暮らしかぁー。ほいほい家に行くんじゃないよ」
「わかってるって……」