クールな生徒会長は私にだけ甘すぎる。

好きだ。

〜西園寺翔太side〜



「くっそ。」俺の前の走者が転んで最下位位から2番目になってしまった。



普段はこんなに優勝にこだわらない俺が優勝したい理由は一つだ。



これで優勝したら、えみりに告白すると決めていた。



あいつにとって俺は幼なじみだろうし、俺のこの思いは迷惑かもしれない。



こないだも、えみりを襲ってしまって嫌な思いさせた。



でも、一緒に過ごすだけ俺はお前なしでは駄目になる。



俺はあいつのことがどうしようもなく好きだ。



この気持ちを認めたのも最近だ。



「ここからは任せろ。」俺は小さくそう言ってバトンを受け取った。



本気で走ったのは久しぶりだ。



気持ちい気持ちで走っていると聞こえてきたのは大好きな声だった。



「しょうちゃん、がんばれーーー。」間違いない、えみりだ。



俺は限界までスピードを出して走って気づいたら1位でゴールしていた。



「ふう。」一息ついてえみりが座ってる方を見た。



俺はよってくるクラスメイトたちをなんとか通り抜けてえみりの方へ向かった。




「えみり、帰り話したいことあるから、生徒会室にきて。」一言だけ言って俺は歩いていってしまった。





そして今、俺は生徒会室で待っている。



えみり、遅いな。忘れたのかな。



いや、えみりに限ってそんなことはない。



俺はもう少し待つことにした。



ガチャ。開いたドアから入ってきたのは俺が待っていた人だった。



「待った?ごめんね。」



かわいい。メイクしてるのか?



「しょうちゃん?」



「かわいいな。」俺がそう言うとえみりは真っ赤になった。



「ん、、、からかわないで。」



すねているえみりまでが可愛いと思ってしまう俺は、もうどうしようもないほどえみりのことが好きだ。



「話したいことって何?」



背が低いから自然に上目遣いになる。



こんなの、絶えられんのか?



「昔からお前は、孤独な俺の隣りにいてくれて、俺にとって特別なやつだった。

お前がいなくなって初めてその事に気づいた俺は馬鹿だった。

でも戻ってきたお前はめっちゃ可愛くなってるし変わらず誰にでも優しくて、、、、

迷惑かもって思ったりもしたけど、もうこの気持ちに鍵がかけられない。

こないだみたいに早まったことやって嫌な思いもさせない。

好きだ、えみり。」
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