【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


 課長に「期待してるよ」と肩を叩かれ、私は「はい」と返事をする。

「頑張ってね、瑞紀」

「ありがとう、沙織」

 という訳で私は、課長と一緒に明日の会議に出席することになった。
 なぜ課長が私を選んだのかは分からないけど、課長が期待してくれているなら、精一杯頑張ってみようと思う。

「佐倉さん」

「はい。なんでしょう?」

「明日は大事な会議だから、くれぐれも失礼のないように頼むよ」

「……はい」

 なんか課長の笑顔って、時々怖く感じるんだよね……。目は笑ってるけど、顔は笑ってない。
 なんだか、すごくプレッシャー感じるんだけど。もし何かヘマしたら私、大変なことになりそうだ。
 その日私は家に帰っても、会議のことばかり考えてしまい、なかなか寝付けなかった。


* * *


「おはようございます」

 朝重たい体をを引きずるように会社へ出社すると、そこには誰もいなかった。

「よし……昨日の仕事、全部終わらせよう」

 昨日は結局終わらなかったから、今日こそ終わらせたい。
 寝不足のせいで体も重いし、目も疲れてるせいかショボショボしている。

 おまけにちょっと頭も痛いし、熱っぽい気がするような……。 
 それでも今日は、課長の大事な会議があるから休む訳にもいかなくて、ムリして出勤してきた。
 ああ、なんか頭がボーッとする。 しかも、なんかクラクラする……。

 ダメダメッ!しっかりするのよ、私。
 今日は大事な会議があるんだから、ここで甘えたら課長の期待が全部水の泡になっちゃう。

「おはようございます。先輩」

 そんなことも知らずに、ニコッと子犬みたいな笑顔を浮かべるのは、私の部下で二つ年下の前川英二(まえかわえいじ)だ。
 名前はカッコイイのに童顔で、世間から見たら高校生くらいに見える。 それでもれっきとした、社会人だけどね。
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