【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「倉本さんのことは、仕事仲間としては好きなんだけどね」
「……けど?」
けど、なんだろう……?
「僕の恋愛対象には、見れないかな」
私は村木さんを見ながら、「どうしてですか?」と問いかける。
「あ、いや。見れないっていうか……確かに好きではあるんだけど、それは恋愛としてじゃなくて"仕事仲間"としてってことかな」
「つまりそれって……沙織は村木さんの恋愛対象にはならないってこと、ですか?」
私がそう聞くと、村木さんは「……まあ、そんな所かな」と濁すように答える。
「……そうですか」
これを沙織に言ったら、絶対悲しむだろうな……。
「確かに倉本さんも、優しくて仕事がテキパキとしてて、すごくいい人だとは思う。……でもどうしても、恋愛対象には見られないかな」
「……そうですか」
村木さんはきっと、沙織の気持ちを考えたことがないのだろう。
だって村木さんは、沙織を恋愛対象として見ていない。そう言ったから。
村木さんは沙織の気持ちを知ったら、なんて言うんだろう……。
その時私は、沙織にこのことを言えそうにないと思った。
「……僕、本当はね」
「はい?」
村木さんが口を開き、「倉本さんの気持ち、知ってるんだ」と私に言った。
「……え?」
「倉本さんが僕を見てたことは、なんとなく感づいてたんだ。……でも僕は、そこまで倉本さんの気持ちに応えたいとは思ってないんだ」
村木さんは、私にそう言って私を見る。
「……思ってないん、ですか?」