【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
村木さんは「……まあ、そうだね」と口にした。
「だから、少しでいいんです。……沙織の気持ちも、察してあげていただけませんか?」
「分かってるよ。 僕ももう少し、考えてみるつもりだから」
「……そうですか。ありがとうございます」
村木さんだって沙織だって、本当は色んな想いを抱えてるんだな……。それは私だけじゃない、みたいだし……。
「そういう佐倉さんはさ、恭平とどうなの?」
「え……?」
村木さん今、課長のこと"恭平"って言ったよね?
もしかして村木さん、課長と知り合いなの……?
「もしかして恭平と、上手くいってないの?」
「あ、いえ……そういう訳では」
上手くいってない訳じゃないと思う。
「恭平はね、僕の高校時代からの親友なんだ」
「えっ、そうなんですか!?」
まさか村木さんが、課長と親友だったなんて……。ビックリだよ。
「ああ。恭平とはもう、十五年くらいの付き合いになるのかな。 だからアイツのことなら、何でも分かるんだ」
「……そうだったんですか」
課長と村木さんが、親友同士とはね……。
「佐倉さん、恭平は今すごく幸せなんだと思うよ」
「え?」
課長が幸せ……? そうなのかな?
「恭平ね、僕に言ったんだ」
「……言ったって、何をですか?」
そう聞くと、村木さんは私を見て「佐倉さんが、俺の最後の恋になるかもって言ってたよ」と微笑んだ。
「……え?」
課長が、そんなことを……? 嬉しいな。
でも私だって、同じ気持ちだ。課長との恋を、私の最後の恋にしたい。