【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。

「お前……なんでそんな肝心なこと覚えてないんだよ。昨日何があったのかくらい覚えてるだろ?」

「……いえ。全然……」

 ダメだ。全く記憶にない……。

「はあ……ダメだな、これ」

 課長は深くため息をこぼすと、ベッドから下りた。

「すいません……課長」

 私、酔うと何にも覚えてなくて……。

「本当に、何も覚えてないのか?」

 そう聞かれて「……はい」と返事をした。

「じゃあ忘れたお前のために、もう一度だけ言う。よく聞けよ」

「は、はい」

「昨日、企画書を書いて提出しろって言ったよな?」

「……はい?」

 企画書……? え?企画書……?

「昨日俺が、企画書書いて提出しろって言っただろ?……まさか、それも覚えてないのか?」

「企画書?……あっ!」

 お、思い出した……! 企画書!

「ようやく思い出したか。 所で、企画書はもう出来てるのか?」

「……い、いえ……」

 わ、忘れてたよ、企画書……。どうしよう。全然出来てないんだけど……!

「提出期限は今日までだったが? それまでに仕上げられるのか?」

「えっ……。む、ムリだと思います……」

 今日中なんて絶対ムリ……!

「とにかく、今日中に企画書作って持ってこい。分かったな?」

 課長にそう言われたので、「……はい、課長」と私は返事をした。
 企画書、本当にどうしよう……。 内容が全然、分からない。
 二日酔いのせいで頭がガンガンして痛いし、頭が全然働かない。
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