【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。

 一杯だけと言っていたはずなのに、なぜかもう一杯飲もうとしている沙織を止めに入る。

「ちょっと沙織、早くしないと仕事始まっちゃうよ?」

「そうねえ……」

 そうねえって……。

 そこで私は、沙織に「沙織もさ、もしかしてなんかあった?」と問いかける。

「……ん、なんで?」

「なんか寂しそうな顔、してるから」

「え?そう……?」

 沙織の顔を見てると、なんだか沙織の顔が寂しそうに見える。 
 彼氏と別れたと言っていたけど、それが何か関係あるのかな?

「何? 良かったらさ、私に話してよ。話なら聞くよ?」

 沙織は、もしかしてなんだけどさ……。

「……航太(こうた)のこと、なんだけどさ」

「うん、どうしたの?」

 沙織はノンアルビールに再び手を伸ばし、「航太のこと……実はまだ好きなんだよね」と私に言った。

「え、そうなの?……でも沙織は、村木さんのことが好きなんじゃないの?」

 あれ? 私の思い違いだった……?

「違う。村木さんのことは、ちょっと気になるってだけよ」

 もしかして沙織は、航太くんのことを何か気にしてるの?
 別れた理由はすれ違いって聞いてたんだけど……本当は違うの?

「そっか。気になるってだけなのね」

「そうよ」

 そっか。村木さんのこと好きなのかと思ってたけど、沙織はまだ航太くんのことが好きなんだね。
 でも別れなくちゃイケない理由が出来たから、別れたんだ。

「……どうすれば、いいかなって思って」

「ん?」

「航太のこと……どうしたらいいかなって」
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