【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「……そっか」
沙織が航太くんのことを思ってのことだったこと、私は知ってる。
沙織は本当に心の優しい人間なんだ。 人のことをちゃんと、思える人だから。
「私、別れて悔しいのかな。……航太を失った分、自分の心が空っぽになるのがわかるんだ」
「……沙織は、疲れてるんだよきっと」
「私って本当に何なんだろうね? 私より航太のが傷ついてるって言うのに」
泣きそうな顔をしている沙織に、私は「……沙織、もういいよ。もうやめて」と沙織の肩を叩く。
「今になってようやく、私の身勝手さがどれだけ航太を傷つけてるのか、分かった気がするよ」
「沙織、自分を責めても仕方ないよ。沙織だけが悪訳じゃないと思うし」
私がそう言っても、沙織は「ううん、私が悪いの。……自分を傷つけてるし、航太のことも傷つけてる。私は最低よ」と自分を非難している。
「……私、課長に連絡してくるね」
私それだけ言い残して、一旦席を離れた。
知らなかったな、沙織があんなに苦しんでいたなんて。 沙織はあんなに苦しんで、あんなに傷ついてたんだね……。
いつも自分のことより、私のことを考えてくれた。 だから沙織の苦しみにも、気づいてあげられなかった。
私は何してるんだろうな。 沙織に何も出来ない自分に苛立って、なんだか腹が立つ。
「……ごめんね、沙織」
こんな私を許してほしい。 私は沙織のこと、まだ全然分かってなかった。
沙織の心の痛み、分かってなかったね。……ごめんね。