【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
□最低な自分と向き合うこと。


「……もしもし、課長ですか」

 私はすぐに課長に電話をした。

「ああ、どうした?」

「あの、すみませんが……沙織が体調悪いみたいなので、今日は早退させます」

 私がそう話すと、課長は「そうか。……まあそういうことなら仕方ないな、分かった。気をつけて送ってやれ」と言ってくれた。

「はい。終わり次第、そちらに戻ります」

「分かった。気をつけてな」

「はい。 じゃあ失礼します」

 電話を切った私は、沙織の元へと戻った。

「沙織、帰ろう?」

 戻るとそこには、寝息を立てて眠りに落ちている沙織がいた。

「スーッ……スーッ……」

 その寝顔はどこか悲しそうで、涙の跡がまだ残っていた。

「今はもう少しだけ……そっとしていてあげようかな」

 私は沙織を起こさないようにそっと沙織の肩を抱き抱えると、タクシーに乗せた。
 案の定、沙織はまだ眠りに落ちたままでいる。

「……大丈夫だよ、沙織」

 沙織の頭を優しく撫でる。

「こう……た……っ」

 やっぱり沙織はまだ、航太くんが忘れられないんだね。
 沙織が航太くんのことを本当に好きだってこと、私はずっと知ってたから。
 沙織と航太くんが付き合ってる時の、あの時の沙織の目は輝いていた。 

 航太くんが好きなんだって見て分かったし、幸せなんだってことも分かった。
 だからこそ沙織には、幸せになってほしいと思う。 沙織が私に言ってくれたみたいに、沙織の幸せが私の幸せ。
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