【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
でも仕事場では課長で、プライベートは彼氏という枠の中にいて……。 嬉しいけど、彼氏と言えないのがちょっと残念な感じがするのは私だけかな。
デスクに戻ると、英二が「先輩、沙織先輩どうしたんすか?」と聞いてくる。
「ちょっと具合が悪いみたい。ムリして会社に来たのが響いたのかもね。 今は家で安静にしてる」
「そうっすかぁ。早く良くなると、いいっすね」
「ね。明日には良くなると思うんだけど」
私がそう答えた後、英二が私に「そういえば、沙織先輩って、なんかあったんすか?」と聞いてくる。
「え? なんで?」
「いや、一昨日、誰かと電話で話してたみたいなんですけど……なんか深刻そうな顔してたんで、なんかあったのかなって思って」
「そうなんだ……」
それってもしかして、航太くんかな……?
「多分……」
「え?」
「多分、航太くんのことだと思う。……沙織、航太くんと別れたみたいでさ」
私がそう言うと、英二は「そうなんですか……」とパソコンに顔を向ける。
「ま、沙織は優しいから、航太くんのためを思ってのことだと思うけどね」
「……はい?」
私は仕事に切り替えるべく「ほらほら、この話はもうやめよう。仕事するよ、仕事」と声をかけた。
「……はい。 あ、俺、これコピーしてきますね」
「うん。 その報告書出来たら、課長にちゃんと見せてね」
「はい」
英二もいい人なんだけどね……。でも私は、そんな英二をフッてしまった。
今思うと、英二に可哀想なことをしたのかもしれないな……。