【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「……って、なにやってんのよ私」

 こんな時に泣きそうになるなんて……。本当にダメだな、私。
 今は泣いてる場合じゃないのにね……。もっと強くならないと。
 とりあえず、早く仕事を終わらせて帰りたい。一刻も早く、この寂しさから逃れたい。

「……やるしかないか」

 と、気合を入れ直した。


* * *


 それからどのくらい経ったのか、全然分からない。
 気づいたら見覚えのある部屋のベッドの中にいて、その隣には見覚えのある男性がいる。

「……あれっ?」

 ここはどこ……? 私はなんでここにいるの?
 これは……夢なのだろうか。 私は、幻覚を見てるのだろうか?

「み……ずき……」

「……ん?」

 えっ……? いやいや、なんか幻聴まで聞こえてきた?
 おかしいな。私、本当になんでここにいるのかな? 確か私、残業してたはずだったよね……。
 ん?残業……?

「……っ!」

 違う!これは夢でも幻覚でも、幻聴でもないっ!

 ふと隣に視線を向けると、そこにはやはり見覚えのある男性がいた。……いや、完全に課長本人がいた。
 課長は私が起きてることには全く気づかず、瞬きもせずにぐっすりと眠っている。

「……え、なんで?」

 待って待って? なんで課長がここにいるの?
 ていうかここって……課長の部屋?

「なんで……?」

 私、なんで課長の部屋に来たんだっけ……?
 ダメだ。全然、思い出せない。  別にお酒を飲んでいた訳でもないから、特に酔ってるって訳でもないし……。
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