【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「えっ……!?」
寝ようと思い瞼を閉じた瞬間、寝ている課長に後ろからギュっと抱きしめられる。
「あ、あの……課長?」
念のために声をかけてみたけど、やっぱり返事はなくて、ただ寝息を立てて寝ているだけだった。
「……はぁ」
ビックリした……。でも寝ながら抱きしめられてると、なんだか変な感じがする。
課長は本当に寝てるのかな……。なんか起きてるような感じがして、気が気じゃない。
「寝れないよぉ……」
なんか分からないけど、助けてほしい。
「瑞紀……」
「はいっ……?」
「スーッ……スーッ……」
なんだ、また寝言か……。課長に瑞紀って呼ばれると、なんだか寝ててもドキッとする。
寝てるのに、寝ていないみたいに感じる。
「よいっしょ……」
後ろから抱きしめられてるせいか、なんだかうまく身動きが取れなくて困る。
ダメだ……。全然、課長の手が離れない……。
どうしよう。やっぱりもう、諦めてこのままにしとくべきなのかな……。
離れようとしても、なかなか離れてくれないし。
はぁあああ……。私はどうするべきだろうか。
「すみません、課長……離れてください。 眠れません」
「スーッ……スーッ……」
やっぱりダメか……。何度やっても、全然効果なし。
課長は爆睡してるから、多分何度言ってもダメかもしれない。
「……うん、寝よう」
とりあえず寝よう。起きたら課長も隣にはいないと思うから。
私はもう一度目を閉じて、眠りに落ちた。
* * *
「……んんっ……」
私はカーテンの明るい光が差し込んだことで、再び目が覚めた。