【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
□元妻の復讐。
「アンタ、なんか知らないの?」
「え? 知らないけど?」
沙織は私が何か知っていると見ているようだ。
「本当に?」
「本当だよ。 私、特に何も聞いてないよ」
「ふーん」
沙織が私をジッと見るから、私は思わず「……え、なに?」と沙織を見る。
なんか怪しいという目で私を見ている。
「別に? ただ昨日も、課長と過ごしてたとばかり思ってたから」
「な、なに言ってんの!? そ、そんな訳ないでしょ……」
やっぱり、沙織にはバレている。隠し通せない。
「なにムキになってんのよ? あら、もしかして図星?」
「ち、違うわよ! そ、そんな訳ないじゃないの」
「……なんか、ますます怪しいわね?アンタ」
「本当に、なにもないってば!」
もう、沙織には私のことを見破られてそうでなんだか怖いな……。
「ふーん。ならいいけどね」
「……はぁ」
思わずため息が漏れる。
よかった。それ以上のことは、なにも聞いてこないみたい。
なんだか、ちょっとだけ安心した。
「おはようございます。 すみませんが、みなさんちょっとここに集まってください」
慌ただしく部署に入ってきた課長は、いきなり私たちを集めた。
「なんだろうね?いきなり集めたりして」
「……さあ、なんだろうね?」
それにしても課長、出勤して早々どうしたんだろうか?
いきなりみんなを集めたりなんかして……。何かあったのかな?