【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「みなさん、改めておはようございます」
課長が真剣な眼差しで口を開く。
「皆さん、いきなり集めたりして申し訳ありません。 みなさんに今から、とても大事なお話があり、集めさせていただきました」
「……大事な話?」
「なんだろうね?」
沙織と小さくそんな会話をしていると、課長が再び口を開く。
「実はこの度、我社は、とある会社と正式に契約を結ぶこととなりました」
「えっ……?」
契約……?なにそれ?
「そしてその会社とは、話し合の末、わが部署と正式に契約を結ぶことになりました」
えっ、なんで……? なんでうちの部署と?
「あの……それは、一体どういうことですか?」
私は課長にそう問い詰めた。
「実は前々から契約を結ぶかどうか、迷っていたみたいなんですが、先程ようやく返事をもらい正式に契約を結ぶとい形になりました。……皆さんには正式に決定してからお話しようと思っていたので、遅くなってしまいました」
「課長、その会社ってどこなんですか?」
沙織が首を傾げながら問いかけると、課長は「……藤堂グループです」と口にした。
え? 藤堂グループ……?
藤堂って、まさかーーー。
「藤堂グループの社長のご令嬢、静香さんが今回契約をしたいと申し出てくださったんです。 そして今回、見事に契約をすることになりました」
それはその"まさか"だったーーー。
課長が言った言葉がまだ、私たち自身飲み込めそうにない。
周りが急にざわつき始める。
ウソでしょ……。なんで……?