【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
なんでウチの部署と、藤堂さんの会社が契約なんて……。
「今回ウチで契約することになったので、早速な何かプロジェクトを始めようかと思っています。 み皆さん、今後ともご協力をよろしくお願いします」
「「「はい」」」
「では、仕事に戻ってください」
みんなが一斉に戻り始める。
おかしい。 ……何かがおかしい。こんなの、絶対におかしい。
課長の言葉を聞いた私は、すぐにそう思った。
「ねぇ、藤堂ってまさか……」
沙織が私に小さくそう囁いた。
「……その"まさか"だよ」
沙織の言いたいことは、すぐに理解できた。
「なんかこれって、もしかしてその……ヤバいヤツ的な?」
「……相当、ヤバいかもね」
藤堂さんは一体、何を考えているのだろうか……。
どうしていきなりらウチの会社と契約を結んだのだろうか……。
私の中で、考えられる理由は二つしかない。
「ちょっと、アンタこれからどうすんのよ。……藤堂って女、ウチの会社と契約までするなんてどうかしてるわよ。 しかもよりによってうちらの部署となんて、もっとおかしいわ。……どうかしてるって」
沙織の言いたいことは、私が一番分かっている。
「……課長を取り戻すため、なのかも」
「え……?」
考えられる理由は、もうこれしかない。これしか、考えられない。
「藤堂さんがウチの会社と契約するなんてどう考えてもおかしいよ。……もし考えられるとしたら、藤堂さんは課長を取り戻すために、こんなことをしたのかも。 しかも課長のいるこの部署にしたのも、もしかしたら藤堂さんの策略だと思う」