【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
沙織はデスクに戻ると、沙織は「私が思うに、課長がその女にとってそれだけ大切ってことでしょ。……アンタが課長を大切に思うのと、同じくらいにね」と言った。
「……課長は、藤堂さんのことはもう関係ないって、前に言ってたのに……」
「だとしたら、そうしなくちゃいけない理由が……そこにあるのかもね」
「……そうしなくちゃいけない理由?」
沙織のその意味深な言葉が、妙に気になる。
一体、そうしなくちゃいけない理由って、何なんだろう……。
「うん。課長がもし藤堂さんにアンタのことで何かを言われたとすれば、辻褄が合うけどね」
まさか……藤堂さんは、課長のことを脅してるとか……?
でも、そんなことするかな……。
「……なんか藤堂さんのことが、ますます分からなくなってきた」
「よく考えてみて。 課長がもし、そうせざるを得なかったとしたら?」
「え……?」
そうせざるを得ないって……?
「課長は、瑞紀のことが大切なのよ?」
「……なに?」
「そうするしかなかったのかもよ、きっと」
そうするしかなかった……?
「……藤堂さんは、私が邪魔なのよ」
「邪魔?」
「うん。だからなんとしても、私と課長を引き離そうとするはずだよ」
私がパソコンの画面を見ていると、沙織は「じゃあ課長は、まだそれに気づいてないってこと?」と私に聞いてくる。
「いや、それはないと思うよ。……課長は勘がいいから、多分気づいてると思う」
「じゃあなんで?」
この状況で考えられることは、一つしかない。
「……私のため、なのかも」
「え?」
「もし私を守るために、あえてそうしてるとしたら?」