【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
「でも課長って、アンタには優しいわよね?」
「えっ!そう?」
課長が? 私には優しい……?
「うん。なんか、瑞紀にだけは妙に優しいっていうか……」
「そうかな? そうでもないと思うよ?」
そう思っていたけど、沙織は「いや、間違いなく優しいわよ。 もしかして課長、アンタのこと好きになったとか?」と言ってくるから、私は思わず「えっ!まさか……!」と沙織を見る。
課長が、私のことを好き……?
「いや、ありえないよ」
「なんでそう言い切れるのよ。 もし課長がアンタを好きだったら、どうするのよ」
「……まあ、その時はその時だけど」
「なによ、それ」
沙織にはさすがに、言えなかった。課長とのあの夜のことは。
あの夜を一緒に過ごした男性が課長だなんて言ったら、私は絶対課長との仲を怪しまれる。
私たちが社内恋愛してると思われても仕方ない。だからこそ、沙織にも言えなかった。
「じゃあ瑞紀、私もう仕事戻るよ?」
「うん。付いててくれて、ありがとう沙織」
「うん、じゃあね。ゆっくり休んでるんだよ」
「うん、ありがとう」
沙織はニコッと微笑むと、医務室を出て行った。
「……いや、好きとか、ありえないと思う」
あのミステリアスな、課長がだよ?……ないない。