【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


 私がそう話すと、沙織は「……なるほど。それなら話が早いわね」と言った。   

「でも課長はそんなこと、絶対表に出さない人だから、絶対口に出したりしないよ」

 課長はそんなことは、しないと思うんだけど……。

「もしかして……あの女の策略にまんまと引っ掛かったとか?」

「分かんない。……とりあえず今は、しばらく様子を見よう。何か分かるかもしれないし」

 まずは藤堂さんの動向を確認しないと、始まらない。

「まぁそれもそうね。……後は課長があの女となんで、契約を交わしたのか、ね」  

「そうだね」

  本当にそれが謎だ。 なんで課長が藤堂さんの会社と契約を交わしたのか。
  ウチの会社は、業界でも常に上位にいるのに、なんで藤堂さんの会社と契約なんか……。

 まさかそれも、藤堂さんの策略……? もしそうだとしたら、私たちははめられた……?

「……っ」

 これはもしかして、藤堂さんの私に対する……嫉妬心?
 それとも、私の当てつけ……?

 藤堂さんが課長をまだ好きってことは、課長を取り戻すための行動?
 それもとも、単なる私の考えすぎ?
 分からない。 私には藤堂さんの考えてることが、まるで分からない。

「ーーー元妻の復讐、ってとこかしらね」

「え?」

 元妻の、復讐……?

 なるほど。もしかしてこれは、藤堂さんの私への復讐ってこと……?
 もし本当にそうだとしたら、本当の目的は課長じゃなくて……。

「……私?」

「ん?」

「ううん、何でもない」

 そっか。これは、私への復讐なんだーーー。
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