【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
でも今の俺たちは、夫婦でも家族でもない。 もう赤の他人なはずなのに、今さら話したいことがあるなんて、一体なんなんだ……。
俺はもう静香には関わるつもりなど、ないのに。 それに瑞紀を悲しませたくないし、傷つけたくないが本音だと言うのに。
まあ静香にだって、静香なりの考えがあるんだと思うけど……。
「……ん」
静香の目の前に紅茶を置く。
「ありがとう。悪いわね」
「それより話ってなんだ。忙しいから手短に頼む」
俺が静香の目の前に座ると、静香は淹れたての紅茶を口にし、カップを置くと「単刀直入に言うわね」と俺を見る。
「……ああ」
俺の中でも、なんとなくはわかっていた。静香の言いたいことを。
「あの瑞紀って女と、別れてほしいの」
やっぱり……。そうだろうと思った。
静香が俺の所にに来て言うことといえば、それくらいしかないだろうし。
「お願い恭平さん。……あの女と別れて、私ともう一度やり直してほしいの」
俺は呆れて、何も言えなかった。
「もう二度とあんな過ちは犯したりしないわ! 恭平さんだけを見て、恭平さんだけを愛し続けるから
……!」
そんな言葉は、今の俺には何も響かない。
「約束するわ。……だからお願い。 もう一度私と、とやり直してほしいの……。私はまだ恭平さんが好きなの」
そんな言葉を言われても、何も感じない。迷惑はだとしか感じないし、何も言う気が失せる。
「本当にいい加減にしてくれって。 何度言われようと俺は、お前とやり直すつもりなんかない。それに、瑞紀と別れるつもりはこれっぽっちもない」