【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。
□目的とターゲット。
* * *


 それはある日の昼休みのことだった。
 お手洗いを出た後で、急に「佐倉さん」と後ろから声をかけられた。

 ーーードキッ。

 思わず、その足が止まった。 ゆっくりと振り返ると、そこにいたのは、やはり藤堂さんだった。

「……なんですか?」

 藤堂さんは私に「ちょっといいかしら?話があるんだけど」と言ってくる。
 この声を聞くと、本当に嫌気がさす。 もう顔も見たくないというのに。

「……わかりました」

「着いてきてくれる?」 

 藤堂さんが歩きだしたので、私も少し距離を置いて藤堂さんの後を追った。
 藤堂さんは誰もいない会議室に入ると、私の方に向き直った。

「……なんですか。こんなとこまで連れてきて」

 多分、課長のことじゃないかとは思う。 多分、それ以外ない。

「決まってるじゃない。恭平さんのことよ」

 なんなの? 今さら、課長がなんだって言うの……。

「ねえ、佐倉さん?」

 藤堂さんに名前を呼ばれるだけで、寒気がする。

「ねえ、聞いてんの?」

 藤堂さんに顔を覗きこまれる。

「ねえ、聞こえてるんでしょ? なら、なんとか言いなさいよっ!」
 
 何も言わない私に苛立ったのか、藤堂さんは私に怒鳴りつけてくる。

「……藤堂さん、本当にいい加減にしてください」

 そんな私を見て、藤堂さんは「なんですって……?」と私を見る。

「ここば職場゙なんですよ。 自分の職場に、プライベートを持ち込まないでもらえますか?……すごく迷惑です」

 私が藤堂さんを睨みつけると、藤堂さんは「なっ……」と唇を噛みしめる。
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