【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


「あなたは、私より人生長く生きてるんだから、そのくらい分かりますよね?  自分の職場に自分の事情を持ち込まれると、みんないい迷惑なんですよ」

 本当は課長がいないと、すごく怖い。 心臓がバクバクしてるし、足も震えそうだし。
 背中には汗が流れていて、緊張もしている。……それでも私は彼女だから、藤堂さんには負けたくないの。

「アンタ、私にそんな口叩いていいと思ってるの……?」

 そう言われた私は、「だったらなんですか?  クビにしたければどうぞ」と伝えた。
 藤堂さんは私の言葉に更に苛立ったのか、「なんですって……!?」と再び怒りを顕にする。

「私のことが気に入らないのであれば、どうぞ勝手にクビにしてくださって構いません。……ただしその時は、課長が黙ってないと思いますけどね」

 藤堂さんはもう課長とは赤の他人なんだ。もうとっくに夫婦じゃない。
 元妻であっても、もう関係ないの。 今の彼女は私だから。

「っ……あなた、私を脅す気?」

「脅し? やめてくださいよ、脅しなんて。脅してるのは、そっちじゃないですか」

「はあっ……!? 私は別に、脅してなんてないわよっ!」

 藤堂さんはそう言うけど、私からこれは完全に脅しだ。 私を脅して課長を奪い取ろうなんて、ふざけている。
 そんなのは、許されることじゃない。

「それを脅しじゃなかったら、なんと呼ぶんですか?」

「……っ」

 私の言葉に藤堂さんは黙り込み、唇を噛み締める。

「よく覚えといてくださいね、藤堂さん。これは立派な゙脅迫゙ですよ」

「……っ!?」
< 149 / 251 >

この作品をシェア

pagetop