【改稿版】あなたと紡ぐ、永遠の愛は奇跡でした。


 確かに私と課長はあの日、お互いを熱く求め合ってしまった。
 こんなことを言うのはおかしいけれど、課長に抱かれてる間の私は、また課長に抱かれたいと思ってしまっていた。

 本当に一瞬だけだけど、彼となら身体だけの関係でもいいから、付き合いたいと思ってしまったのもまた事実で。
 でもそれは、私たちにとってたった一晩の過ち。
 そんな関係になることを、私たちは望んでいた訳じゃない。 たった一晩の関係。

 そう、それだけだったのに。
 私の考えとは裏腹に、課長は次の日から私に迫ってくるのだったーーー。
 



「おはようございます、先輩」

「おはよう英二」

 朝職場に出勤してくると、英二が元気よく挨拶してくれる。

「具合はもう大丈夫なんすか?」

 私はデスクに荷物を置きながら「もう平気よ。寝たら良くなった」と話した。

「なら良かったっす。みんな心配してたんすよ?」

「そうなの? でももう大丈夫よ」

「なら良かったっす」

 英二はほんといい部下だ。私のことまで心配してくれるなんて。
 私って、みんなに信頼されてるのかな? まあ四年も働いていれば、信頼もされるわよね、そりゃあ。 一応、キャリアウーマンだし?

「皆さん、おはようございます」

「「「おはようございます」」」

 課長が出勤してくると雰囲気がガラッと変わる。
 それは多分、課長のことををみんなが信頼してるからだ。
 もちろん私にとっても、いい上司だと思ってる。むしろ課長は、人柄がよすぎる気がする。

「佐倉さん、おはようございます」

 そう言ってニコッと微笑む課長。

「お、おはようございます」

 でもやっぱり、課長の笑顔ってなんだか怖い……。

「体調はもう大丈夫ですか?」

「はい。おかげさまで」
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